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ドットPC編集部
2010年9月30日(木曜日)
名言の正体――大人のやり直し偉人伝
偉人の残した「名言」の数々。本書によると、その中には本来の意味と違う解釈で使われているものも多いそうだ。
「天才とは、99%の努力と1%のひらめきである」(エジソン)は、じつは努力の大切さを説いた言葉ではないし、「酒は百薬の長」(王莽)は、酒に健康効果があるという意味ではない。また、「和をもって貴しとなす」(聖徳太子)は、「人と違う意見を言うな」という戒めではない、などなど。史実をもとに、著者は本書
「名言の正体」で、この他70以上もの名言の「正体」を暴いていく。
たとえば「和をもって~」の正体は「互いに穏やかな気持ちで話し合うように」という意味の十七条憲法の原文で、聖徳太子はむしろ人と人の意見が分かれるのは当然のこととして肯定している。
目からウロコ。そう感じるページも多い。
だが読み進めるうちに、「いくら正体が暴露されても、結局名言の解釈が修正されることはないのでは」とも感じてきた。
名言が生き残ってきた理由は、生活必需品同様、まず多くの人がその言葉を必要としたからに違いない。もっといえば、多くの人が自分に必要な、つまり自分が聞きたい意味を聞き取ってきたからこそ名言は生き延びることができたわけだ。
「和をもって貴しとなす」を「言動も行動も皆に合わせて同じようにするのがいい」という解釈で使うのは、なによりそれが、「日本人の聞きたい言葉」だからだ。そう考えれば、名言の本当の作者はわれわれ凡人なので、偉人はその言葉が生まれるきっかけを作っただけなのかもしれない。
著者...山口智司
発行...学習研究社
価格...777円
文●アスキー・ドットPC11月号掲載

