デジタル最新ニュース&トレンド

2012年1月24日(火曜日)

今年は無線でもギガビット!

 有線のネットワーク(LAN)では、毎秒1ギガビット(1000Gbps=128MB/s)を転送できるギガビットイーサネットが10年ほど前から普及していて、家庭のルーターも有線はギガビット対応が当たり前になってきました。しかし、有線LANはケーブルを敷設する必要があるので、家庭内では美観、子供やペットによる被害、場合によっては壁やドアなどに穴を開ける必要があるなど、いろいろ不便な面が多いのが事実です。

 そこで、家庭内では配線の必要がない無線LANが広く普及しているわけですが、家電機器がネットワーク対応になってきた現在、そのパフォーマンスがネックになってきています。現在主流の高速無線LANといえば「IEEE802.11n」ですが、ポピュラーな製品では、最高速度は300Mbpsがふつう。しかもこれは理想的な条件下での理論値で、実際に壁などで減衰する家庭内で利用する場合は、数Mbpsというところまで落ち込んでしまうことも珍しくありません。

 有線とのギャップを埋め、数十Mbpsのデータを転送する必要があるハイビジョン映像の普及を受けて、現在「IEEE802.11ac」という新しい無線LAN規格が準備されていて、今年中には製品が登場しそうです。チップ開発をリードするブロードコム社は「5G WiFi」というネーミングで普及を図っています。5Gというのは、通信を行なう無線の周波数が5GHz帯であることと、無線LANとして第五世代(IEEE802.11無印、b、a/g、nに続く)という意味をかけているそうです。

5gwifi(本文用).jpg
 

↑5G WiFiのロゴ。対応製品のパッケージなどに記載される予定だ。

 

 気になる速度は、送受信にアンテナ8本ずつを使う設定では約7Gbpsという、とてつもないもの。8本ずつはあまり現実的ではありませんが、ブロードコムの、アンテナ3本ずつを想定したハイエンドチップ「BCM4360」でも1.3Gbpsを謳っています。バッファローは、1月上旬にアメリカで開催された家電のショー「インターナショナルCES」で、このチップを搭載する無線ルーター「WZR-1750H」(開発中)のデモを行ないましたが、アンテナ3本利用で、実際に800Mbpsの転送が行えたそうです。これは有線のギガビットイーサネット並の速度です。

router_c_800x600.jpg
 

↑バッファローが開発中のIEEE802.11ac対応ルーター「WZR-1750H」(写真提供:ascii.jp)。

 

 残念ながら日本ではIEEE802.11acを利用するには電波法の改正が必要になるため、日本で製品が出荷されるのは2013年に入ってからになるようですが、海外では今年後半から、ドラフト段階の仕様に基づいた無線LAN機器や、IEEE802.11ac内蔵パソコンが登場すると見込まれています。無線でも、本当に有線と変わらないレベルの使い勝手が、まもなく実現することになりそうです。

文●アスキードットPC編集部(TN)


<< 前のページへ
次のページへ >>